「うちの業種は特定技能を使えますか」。人手不足の解消策として特定技能を検討する企業から、まずこの質問を受けます。特定技能は技能実習や技人国(技術・人文知識・国際業務)と混同されやすい制度ですが、対象となる分野・求められる技能水準・在留期間の考え方が明確に定められています。
この記事では、特定技能1号・2号の制度の全体像と、現在受入れ可能な分野を整理します。続く記事では、要件や支援計画など各論を詳しく解説していきます。
この記事で分かること
- 特定技能制度がどのような目的でつくられたか
- 特定技能1号と2号の違い
- 現在受入れ可能な分野
- 技能実習・技人国との使い分け方
特定技能制度とは ― 人手不足分野に特化した在留資格
特定技能は、国内人材の確保が困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れるために2019年に創設された在留資格です。技人国が主に大学等で学んだ専門知識を要する業務を対象とするのに対し、特定技能は現場作業を含む「相当程度の知識又は経験を必要とする技能」を要する業務を対象としている点が異なります。
特定技能には1号と2号があり、それぞれ次のように整理されます。
- 特定技能1号:相当程度の知識又は経験を要する業務に従事。在留期間は通算で上限5年。家族の帯同は基本的に認められません。
- 特定技能2号:熟練した技能を要する業務に従事。在留期間の上限がなく更新を続けられ、要件を満たせば配偶者・子の帯同も可能です。
現在受入れ可能な分野
出入国在留管理庁の公表資料によると、2026年6月1日時点で、特定技能1号による受入れが開始されている分野は17分野です。このうち、特定技能2号の対象となるのは11分野です。
対象分野・業務区分は今後も見直される可能性があるため、実際に申請を検討する際は、出入国在留管理庁の「分野別情報」ページで最新の情報を確認することをおすすめします。
技能実習・技人国との使い分け
3つの制度は、それぞれ目的が異なります。
- 技能実習:技能等の修得を通じた人材育成による国際貢献が目的
- 特定技能:人手不足分野における即戦力人材の受け入れが目的
- 技人国:大学等で修得した専門的な知識・技術を要する業務への従事が目的
同じ業種であっても、担当させたい業務の内容によってどの在留資格が適するかは変わります。例えば製造業であれば、現場の生産工程に従事してもらうなら特定技能、設計や品質管理など専門知識を要する業務であれば技人国、というように整理すると判断しやすくなります。
受入れまでの主なルートと、受入れ機関に求められる基準
特定技能1号での受入れには、技能試験・日本語試験に合格する「試験ルート」と、技能実習2号を良好に修了した場合に試験が免除される「技能実習ルート」の主に2つがあります。詳しくは次回(第18回)で解説します。
また、外国人を受け入れる企業(受入れ機関)自体にも、欠格事由に該当しないことや、支援体制・支援計画があることなど、満たすべき基準があります。この点は第19回で詳しく取り上げます。
実務でよくある相談
「特定技能を検討しているが、そもそも自社の業務が対象分野に当てはまるか分からない」というご相談をよくいただきます。分野ごとに従事できる業務の範囲が細かく区分されているため、実際の業務内容に照らした個別の確認が欠かせません。
まとめ
特定技能は、人手不足分野で即戦力となる外国人材を受け入れるための在留資格です。1号と2号で在留期間や家族帯同の可否が異なり、受入れ可能な分野も分野ごとに区分が細かく定められています。自社の業務がどの分野・区分に該当するかを見極めたうえで、技能実習・技人国との使い分けを検討することが、採用計画の第一歩になります。
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出典・参考資料
- 特定技能制度(出入国在留管理庁)|https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/index.html
- 分野別情報(出入国在留管理庁)|https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/sswfield.html
- 特定技能2号の各分野の仕事内容(Job Description)(出入国在留管理庁)|https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/10_00180.html
執筆者プロフィール
本記事は行政書士法人HAL大阪のスタッフが執筆・監修しています。外国人人材の在留資格や採用手続きに関する実務知見をもとに、正確でわかりやすい情報の発信を心がけています。
最終更新日:2026年10月11日

