特定技能には、分野ごとに「受入れ見込数」という数字が設定されており、これが事実上の受入れ上限として運用されています。この数字を超えそうになると、その分野では新規の受入れが一時的に止まることがあります。外食業分野で実際に起きた受入れ一時停止(第16回で解説済み)は、その典型例です。
この記事では、受入れ見込数の仕組みと、採用計画に織り込むうえでの考え方を整理します。
この記事で分かること
- 受入れ見込数(受入れ上限)とは何か
- 上限を超えそうになるとどうなるか
- 現在の受入れ見込数の規模感
- 採用計画で確認しておきたいこと
受入れ見込数(受入れ上限)とは
特定技能制度では、分野ごとに5年間の受入れ見込数を設定し、大きな経済情勢の変化が生じない限り、この数を1号特定技能外国人の受入れの上限として運用しています。出入国在留管理庁は令和8年1月23日の閣議決定で、令和10年度末までの受入れ見込数(受入れ上限数)を、1号特定技能外国人と育成就労外国人を合わせて約123万人(1号特定技能外国人80万5,700人・育成就労外国人42万6,200人)としています。
この見込数はあくまで分野ごとに設定されるものであり、分野によって受入れの余地(充足率)は大きく異なります。
上限を超えそうになるとどうなるか
各分野の在留者数が受入れ見込数を超えることが見込まれる場合、分野所管大臣から法務大臣に対して申し出が行われ、当該分野に係る在留資格認定証明書の交付等が一時的に停止されることがあります。第16回で取り上げた外食業分野の受入れ一時停止(2026年4月13日以降)は、この仕組みが実際に発動された事例です。
在留資格認定証明書の交付等が停止された場合でも、既に在留している特定技能外国人の在留期間更新まですべて止まるわけではなく、対応は分野の状況によって異なります。停止の再開時期は、受入れ見込数の状況を踏まえて改めて判断されます。
採用計画に織り込むべきこと
受入れ見込数の充足状況(各分野の在留者数がどこまで積み上がっているか)は、出入国在留管理庁が定期的に公表しています。人手不足が深刻な分野であっても、見込数に近づいている分野では、採用のタイミングによっては手続きが止まるリスクがあることを踏まえておく必要があります。
出入国在留管理庁が公表している最新の資料(令和8年7月末時点・速報値)では、特定技能1号全体の受入れ見込数80万5,700人に対し、在留者数は43万2,016人(充足率53.6%)となっています。このうち外食業分野は、受入れ見込数5万人に対して在留者数が4万9,290人で、充足率は98.6%と、分野の中で最も高くなっています。
特に、外食業のように受入れの動きが速い分野で採用を検討している企業は、直近の公表資料を確認したうえで、早めに手続きを進めることをおすすめします。
実務でよくある相談
「特定技能で採用を考えているが、今から手続きを始めても間に合うか」というご相談を受けることがあります。分野によっては受入れ見込数に近づいている場合があるため、検討している分野の最新の受入れ状況を確認したうえで、スケジュールを立てる必要があります。
まとめ
特定技能の受入れ見込数は、分野ごとに設定された事実上の受入れ上限です。上限に近づくと新規受入れが一時的に停止されることもあるため、採用を計画する際は、対象分野の最新の受入れ状況を確認したうえで、余裕を持ったスケジュールを組むことが重要です。
外国人人材の雇用、まずはご相談ください
制度選びや手続きでお困りの際は、下記の問い合わせフォームより承っております。担当の行政書士が内容を確認のうえ、折り返しご連絡いたします。
下記URLからお問い合わせフォームにアクセスできます。
https://www.hal-ulala.jp/foreigner/
出典・参考資料
- 特定技能制度に関するQ&A(出入国在留管理庁)|https://www.moj.go.jp/isa/policies/ssw/faq.html
- 特定技能「外食業分野」における在留資格認定証明書交付の一時停止措置について(出入国在留管理庁)|https://www.moj.go.jp/isa/03_00176.html
- 特定技能1号の分野ごとの受入れ見込数や在留者数等(出入国在留管理庁・PDF)|https://www.moj.go.jp/isa/content/001472175.pdf
- 育成就労制度Q&A(出入国在留管理庁)|https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/ikusei_qa_00002.html
執筆者プロフィール
本記事は行政書士法人HAL大阪のスタッフが執筆・監修しています。外国人人材の在留資格や採用手続きに関する実務知見をもとに、正確でわかりやすい情報の発信を心がけています。
最終更新日:2026年10月14日

