特定技能1号として働くには、外国人本人が一定の技能水準・日本語能力を満たしている必要があります。その証明方法には、大きく分けて「試験に合格するルート」と「技能実習を良好に修了することで試験が免除されるルート」の2つがあります。
この記事では、この2つのルートの違いと、それぞれで確認しておきたいポイントを整理します。
この記事で分かること
- 特定技能1号に必要な技能水準・日本語能力の証明方法
- 試験ルートで求められる試験の種類
- 技能実習からの移行ルートで確認すべきこと
- 育成就労からの移行との違い
ルート1:技能試験+日本語試験に合格する「試験ルート」
海外や国内で、分野ごとに実施される技能評価試験に合格し、あわせて日本語能力を確認する試験(日本語能力試験N4以上、または国際交流基金日本語基礎テスト)に合格することで、特定技能1号の技能水準を満たすルートです。
技能実習を経ていない人材を、海外から直接、あるいは国内の留学生・他の在留資格からの変更で採用する場合は、このルートを通ることになります。試験の実施国・実施回数は分野によって異なるため、採用計画を立てる際は、対象分野の試験スケジュールをあらかじめ確認しておく必要があります。
ルート2:技能実習2号を良好に修了した「移行ルート」
技能実習2号を良好に修了した人材については、技能試験・日本語試験の両方、または一方が免除されます。技能実習で修得した技能実習2号移行対象職種と、特定技能1号の分野(業務区分)との対応関係が出入国在留管理庁の資料で示されており、この対応関係に該当するかどうかが、免除の可否を左右します。
技能実習からそのまま同じ職場で特定技能に切り替える場合だけでなく、技能実習を良好に修了した人材を新たに採用する場合も、このルートに該当します。ただし、技能実習の職種と、特定技能で従事させたい業務区分が対応関係にない場合は、試験ルートを通る必要があるため、事前確認が欠かせません。
育成就労からの移行との関係
2027年4月に施行される育成就労制度から特定技能1号へ移行する場合は、技能実習2号を良好に修了した方に認められる試験の免除はなく、試験への合格が必要です。出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」では、技能検定3級等または特定技能1号評価試験への合格と、日本語能力(A2相当以上。日本語能力試験N4等)を確認する試験への合格が条件とされています。あわせて、現在の受入れ機関での就労期間が一定期間を超えていることも求められます。移行のための試験に合格できなかった場合でも、最長1年の範囲で在留の継続が認められる可能性があります。制度の詳細は今後の運用要領で明確化されていくため、育成就労を活用する企業は継続して情報を確認する必要があります。
実務でよくある相談
「技能実習生をそのまま特定技能に切り替えたいが、試験は必要か」というご相談を多くいただきます。技能実習2号を良好に修了していて、かつ職種の対応関係に該当していれば試験は原則不要ですが、対応関係に当てはまらない職種の場合は試験ルートを通る必要があり、想定より準備期間が必要になることがあります。
まとめ
特定技能1号になるための技能・日本語要件は、試験に合格する方法と、技能実習2号を良好に修了することで免除される方法の2つに大別されます。どちらのルートに該当するかによって、採用までの準備期間や必要な手続きが変わるため、対象者の経歴を確認したうえで計画を立てることが重要です。
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出典・参考資料
- 技能実習2号移行対象職種と特定技能1号における分野(業務区分)との関係について(出入国在留管理庁・PDF)|https://www.moj.go.jp/isa/content/001463725.pdf
- 育成就労制度Q&A(出入国在留管理庁)|https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/ikusei_qa_00002.html
執筆者プロフィール
本記事は行政書士法人HAL大阪のスタッフが執筆・監修しています。外国人人材の在留資格や採用手続きに関する実務知見をもとに、正確でわかりやすい情報の発信を心がけています。
最終更新日:2026年10月12日

