育成就労制度の受入れを検討する企業から、「何から準備すればよいか分からない」というご相談を多くいただきます。この記事では、これまでの回で解説してきた内容を踏まえ、受入れを始める前に確認しておきたいポイントをチェックリスト形式で整理します。
この記事で分かること
- 監理支援機関の選定に関する確認ポイント
- 費用・コストに関する確認ポイント
- 育成計画・定着施策に関する確認ポイント
- 自社の受入体制を診断する視点
チェックリスト①:監理支援機関の選定
- 監理支援機関としての許可を実際に取得しているか、申請中であればその進捗を確認したか
- 外部監査人が実在し、実地確認・監査同行が実際に機能しているか確認したか
- 送出機関との関係が透明で、役員の兼任など利益相反にあたる事情がないか確認したか
- 費用体系が明確で、追加費用の発生条件が事前に説明されているか
チェックリスト②:費用・コストの把握
- 監理費、給与・社会保険料に加えて、送出機関手数料の上限超過分を負担する可能性を織り込んでいるか
- 送出機関が外国政府認定送出機関制度のリストに掲載されているか確認したか
- 保証金の徴収や、旅券・在留カードの保管など禁止行為が行われていないか確認したか
- 総額でのコストを、技能実習制度時代の実績と比較したか
チェックリスト③:育成計画・定着施策
- 育成就労計画の作成段階から、修了時の技能検定・日本語能力試験を見据えた研修計画を組み込んでいるか
- 転籍制限期間の経過後も選ばれ続けるよう、賃金・労働条件を業界水準と比較しているか
- 生活面の相談窓口を用意し、孤立を防ぐ体制があるか
- 特定技能1号への移行(分野によっては2号への移行)を見据えた、3年+5年の長期の人材計画を描いているか
チェックリスト④:既存の技能実習生を受け入れている企業向け
- 現在受け入れている技能実習生の技能実習計画の残り期間と、施行日(2027年4月1日)との関係を確認したか
- 経過措置の対象となる実習生がいる場合、切替のタイミングと手続き(技能実習計画の認定申請は令和9年3月31日まで、技能実習の開始は同年6月30日まで、という期限を含む)を把握しているか
- 監理団体に、育成就労制度における新許可申請の準備状況を確認したか
実務でよくある相談
「チェックリストを見て、自社だけでは対応しきれない項目が多いと感じた」というお声をよくいただきます。特に監理支援機関の選定や費用の把握は、制度の細部を理解していないと判断が難しい部分です。チェックリストの結果を踏まえ、不安な項目から個別にご相談いただくことをお勧めしています。
まとめ
育成就労制度の受入れを成功させるためには、監理支援機関の選定、費用の把握、育成計画・定着施策という3つの観点から、事前に確認しておくべき点が数多くあります。このチェックリストを活用し、自社の受入体制のどこに不安があるかを早い段階で洗い出しておくことをお勧めします。
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出典・参考資料
- 育成就労制度Q&A(出入国在留管理庁)|https://www.moj.go.jp/isa/applications/faq/ikusei_qa_00002.html
- 育成就労制度の運用要領(出入国在留管理庁・PDF)|https://www.moj.go.jp/isa/content/001467912.pdf
執筆者プロフィール
本記事は行政書士法人HAL大阪のスタッフが執筆・監修しています。外国人人材の在留資格や採用手続きに関する実務知見をもとに、正確でわかりやすい情報の発信を心がけています。
最終更新日:2026年10月29日

