外国人を雇用する会社には、在留資格の申請とは別に、雇入れ・離職のたびに行うべき届出義務があります。届出先はハローワークと出入国在留管理庁(入管)の2系統に分かれており、それぞれ期限や様式が異なるため、整理して理解しておく必要があります。
この記事で分かること
- ハローワークへの外国人雇用状況届出の内容と期限
- 届出を怠った場合の罰則
- 入管への届出のうち、本人が行うべきものと会社に関わるもの
- 届出漏れを防ぐための実務のポイント
ハローワークへの外国人雇用状況届出
労働施策総合推進法第28条第1項により、外国人(在留資格「外交」「公用」・特別永住者を除く)を雇用するすべての事業主は、雇入れ・離職の際にハローワークへ届け出る義務があります。
届出の期限は、雇用保険の被保険者区分によって異なります。
- 雇用保険の被保険者となる方:雇入れは翌月10日まで、離職は翌日から起算して10日以内(雇用保険の資格取得届・資格喪失届と一体で届出)
- 雇用保険の被保険者とならない方(週20時間未満の勤務等):雇入れ・離職いずれも翌月末日まで
届出を怠ったり、虚偽の届出を行ったりした場合は、労働施策総合推進法第50条第1項第2号により30万円以下の罰金の対象となります。
入管への届出 ― 本人が行うべきもの
中長期在留者本人は、勤務先(契約機関)との契約の終了・新たな契約の締結、および契約機関の名称・所在地の変更・消滅について、事由発生日から14日以内に入管へ届け出る義務があります(入管法第19条の16)。対象となる在留資格には、技術・人文知識・国際業務、特定技能、介護、技能などが含まれます。この届出はあくまで本人の義務であり、会社が代わりに行う法的義務ではありませんが、退職時などに本人が失念しないよう、会社側から案内しておくことが望ましいといえます。
入管への届出 ― 会社に関わるもの
特定技能所属機関には、雇用契約の変更・終了、支援計画の変更、支援委託契約の変更、受入れ困難・基準不適合が生じた場合の届出義務があります(入管法第19条の18)。いずれも事由発生から14日以内の届出が必要です。受入れ困難の事由には、経営上の都合や、特定技能外国人の死亡・傷病・行方不明・帰国、生産縮小などが含まれます。
届出漏れを防ぐための実務のポイント
- 雇入れ・離職のたびに、ハローワークへの届出と入管への届出(該当する場合)の両方をチェックリスト化する
- 退職時には、本人が行うべき入管への届出(14日以内)についても案内する
- 特定技能所属機関は、契約内容の変更や支援計画の変更があった際に、14日以内の届出期限を意識した社内フローを整えておく
実務でよくある相談
「ハローワークへの届出は知っていたが、入管への届出義務があることは知らなかった」というご相談をよくいただきます。届出先が2系統に分かれていることが分かりにくさの原因になっているため、雇入れ・離職の都度、両方をあわせて確認する運用をお勧めしています。
まとめ
外国人を雇用する会社には、ハローワークへの外国人雇用状況届出と、入管への各種届出という2系統の義務があります。期限や様式が異なるため、雇入れ・離職のたびにチェックリストで確認する運用が、届出漏れを防ぐ鍵になります。
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出典・参考資料
- 外国人雇用状況の届出(厚生労働省)|https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/todokede/index.html
- 外国人雇用状況届出制度の概要(厚生労働省)|https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/jigyounushi/page11.html
- 契約機関に関する届出(出入国在留管理庁)|https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri10_00015.html
- 特定技能所属機関の届出(契約に関する届出)(出入国在留管理庁)|https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00187.html
- 労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律 第28条・第50条(e-Gov法令検索)
執筆者プロフィール
本記事は行政書士法人HAL大阪のスタッフが執筆・監修しています。外国人人材の在留資格や採用手続きに関する実務知見をもとに、正確でわかりやすい情報の発信を心がけています。
最終更新日:2026年11月6日

